2020/08/21 08:55

アメリカ
ポートランド、オレゴン州。

じじょうきょうかい。
簡単に言えば、後継者が居ない教会の事。
後継人がいなければ当然、その教会の歴史に幕を閉じる事になってしまう。
教会毎の設立者や教会長、役員の方々の御苦労、其の後何年、何十年、何百年と教会を慕い、助けてくれてきた信者様の御苦労。
教会が1つ絶えてしまう毎に、私は言葉にならない深い悲しみと無力さを感じる。
そのじじょうきょうかいの1つを、父は、無宗教だった母と、幼い長女を連れ、日本から未知なる米国へ渡り、
救ったのだ。
その教会には一人のおばあちゃんが、教会長として繋いでいた。
父との血の繋がりは無いが、父は自分の名字を捨て、
一家でそのおばあちゃんの養子となり、教会の後継者となった。

無宗教だった母の心境は、いったいどんな状況だったのか。
今の私にも、想像を絶するものだったはずだ。

アメリカへ渡ったばかりの一家は小さな小さな部屋で暮らし、
父は神様の勉強、英語の勉強をしながら、何でも、雇って貰えるのであれば、
アルバイトを掛け持ちし、一家を食べさせていた。
当然、父は一日、数時間の睡眠と、食事をとる為だけしか家には居なったという。

1979年、父と母の間に二女が生まれた頃も、
ベビーベッドは買えず、二女は段ボールにブランケットを敷き詰め、
寝かして居た。

その頃からだったのか、それともそれ以前からだったのか。

母の様子が、可笑しくなっていった。